「闇/始動」2

         著作 KATAKANA

<何でもいい。
この恐怖から
逃れられるのなら……>

死へのやすらぎが、
無理矢理生きようと
する自分に語りかける。

<自分を恐怖に
食わせてどうする。
むやみに……
恐怖を味わってどうする。
今なら……まだ間に合う。
さあ~選ぶんだ。
安らかな眠りを……!?>

『嫌だっ!
絶対負けるもんか!!
どんな事になっても、
絶対あきらめるもんか!』

カラ元気だと
言われてもいい……。

意味が無いと
笑われてもいい……。

俺に俺自身が、
この恐怖は生きている意味
そのものだと
告げている気がした。
だから……だから……。

<<……ズズズ……>>

俺の全身が……又……
アンテナになった。

数秒前の気持ちが
今の物音で揺らぐ。

<さあ諦めろ。
お前は……
もう十分戦ったじゃないか。
大人しく……
静かなる眠りを受け入れろ!>

『嫌だ!いやだ いやだ!!』

でも、闇は無情だ。
俺の気持ちなどお構い無しに、
危険と恐怖が避けられるはずの
道を閉ざしてしまった。

『ズズズ…ガザガザ…』

さっきより近くで、
布を引きずる音が響く。

二人の友人達の声は
もう聞こえなくなっている。

そして……
ゆっくり……ゆっくり……
確実なあの音が響く。

『来るな! 
来るな来るなァ~ッ~!!』

<~フッ~>

その時、俺の首を何かがなでた。

『………!!』

暗闇にこだまする声は、
自分の声とは
とうてい思えないほどの
ボリュームで、
俺自身の耳に届いた。

そして……
その反響を聞きながら……
俺は……
ゆっくり……気を失った。

 

「闇/始動」2、完!
 次回に続く……?!

次回をお楽しみに!?
(4/1まで毎週、
日曜日のみ配信です!)

注意;
「kaze to kumo clib」
の全作品は……
コピー厳禁でーす!
よろしくね♡

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「闇/切っ掛け」1に……
 続く……?!

また、見てね♡

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